北海道大医学部看護学専攻・西野さん

 浪人が決まって4月から横浜の駿台に通い始めました。そこには大きな志を持った多くの受験生がいました。仲間であり、目に見えるライバルです。毎日閉館まで満席の自習室からは熱気が発せられていて、それに乗っていたのか呑まれていたのか、私も勉強をしていました。

DSCN1436.jpg 仲間には恵まれましたが、もうひとつ必要なものがあります。自分に合う教師です。「自分が払った授業料がこの人のお給料になっているのか」と思うと悔しくなるような教師もいます。特に問題だった数学については、私に必要なレベルよりも高いレベルの授業が行われ、予習ノートは白紙のまま。このままで点数は上がるだろうか?と不安になりました。

 現役のころ、父の勧めで何度か湧源塾にお世話になりました。私の実家は神奈川なので、長期休暇に徳島に行き、祖父母の家から通ったのです。浪人の後期から祖父母の家に居候することを決め、週に4日湧源塾に通いました。

 集団で受ける予備校の授業は、予習をしていようがしていまいが、理解していようがしていまいが、ベストな解き方だろうがなかろうが、復習をしようがしまいが、お構いなしに進みます。誰も怒らなければ注意もしないし褒めもしない。このままでいいとも悪いとも誰も教えてくれません。

 しかしここ湧源塾では8人しか座れない教室で、嫌でも当てられればノートも覗かれます。加えて、その場で初めて見た問題を解くため、本番のような緊張感もあります。予備校のテキストを開いて「わからん、ああもう溶けそう」と思いながら机に突っ伏すような無駄な予習の時間も要りません。生徒それぞれのレベルや志望校に合わせた内容を別々にやってくれることもあります。

 何百人もの生徒を見てきた先生だけあって、今の点数や出来具合から、このままいくとこの先どうなるといった「厳しい現実」を突きつけられることもあります。自分には見えない未来の数字が四宮先生には見えるのですね。すごく酷なことである場合もありますが、甘い理想に浸りたくなる受験生にとって本当の意味でありがたいことなのだと思います。

 「浮かれてぼぉっとしとって事故に遭わんよう気い付けよ」。電話で合格の報告をしたときに四宮先生に言われた言葉です。四宮先生にしか言われなかったアドバイスです。

【神奈川県立平塚江南高2011年卒】

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